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第96話 バングル
「よっ、ミケ。」
佳純がペットのように配膳ロボットに声をかけた。
「ミケって?」
「こいつの事。量産型ミケだよ。AIだから心があるの。懐いてくれるよ。」
佳純が話すと女子が緊張するので、軽口を叩いて場をほぐす。佳純は優しい。
女子たちは4人。ドリンクバーで変な飲み物を作っている。
「上田君、何飲む?」
彼女たちは特製だと言って変な飲み物を作ってくれた。
ローズヒップティーとコーラと何か色々入っている。
「地獄色だな。」
ストローを刺して飲んでみる。
「うへぇ、甘い!」
佳央にはローズヒップとメロンソーダでものすごい飲み物が来た。
「よく混ぜて。」
「ビリジアンとクリムゾンレーキ。合わせたら地獄の血の池になったな。」
それでも一応飲んでみる。
「確かに甘い。地獄のように甘い。」
女子たちも大笑いだ。
口直しだ、と言って佳純はハンバーグを食べている。フレンチフライをつまみながらおしゃべりが盛り上がった。
女子たちがコソコソ話している。
「佳奈のお兄さんも結構イケてるね。」
「上田君がいると、かすんじゃうんだよ、いつも。」
得意そうに話す佳奈が佳央の知らない顔をしている。いつも反抗的なのに今日は可愛い。
「いいな、佳央は。
こんな可愛い妹がいて。俺一人っ子だから。」
「きゃーっ、上田君、彼女とかいるんですか?」
「うん、いるよ。ほらっ。」
腕につけたバングルを見せてくれた。
みんなドン引きだ。ガッカリしている。
(彼女じゃないけどな。彼氏だ。)
キシはあの事件で取り調べを受けていた。警察には、自首してきた若い奴が二人いたが、主犯は違うとみて、キシたちを参考人として何度も呼び出している。
行方不明の今関の息子の事も厳しく追求している。何度も何度も嫌がらせのように呼び出されて自分の時間がない状態だった。佳純もうかうかと泊まりに行けない。警察が張り付いている状態だった。
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