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第98話 絵とカラオケ
キシが佳純の絵を見たいと言うので出かけることにした。キシの車で県民ホールに向かう。
ハンドルを握るキシがカッコいい。そう言うと笑って
「やめろよ、運転に集中出来ないよ。」
普通のスーツ姿のキシが、それでも何か独特の雰囲気がある。堅気じゃないからか。
どんなに普通に見せても漂って来る空気が違う。そこに、どうしようもなく惹かれているのを佳純は自覚した。
ヌードの絵を見て
「すごいな。佳純だ。綺麗な身体だ。」
「みんなヌードの事ばかり言う。
あと、このタトゥーも良くないって。」
「クソだな。そう言う奴は。」
キシに寄り添って顔がニヤける。
「キシだけに見せようと思ったのに公開しちゃったね。」
「カッコいいけど、教育的にはダメなんだろうな。」
「今度はキシも脱いで並んで描いてもらおうか?」
「ああ、もうこういう展覧会には出せないな。
佳純の美しさを人に見せたくない。」
見つめ合った。手を繋ぎたい。
「これからどこ行く?」
今日は佳純のボディガードだから一緒にいれば問題はない。ゆっくり出来る。
「カラオケ行こう。
キシは歌上手い?聞いてみたいな。」
「佳純は上手いんだろ。じゃあ行こう。」
あのライブハウス『原子心母』にも、キシと行きたい。また、次の機会に,だな。
軽音の連中にもいずれ紹介したいし。
少しドライブして町のカラオケ屋に着いた。
二人の個室で軽くキスした。
オーダーを聞きに来た女の子がビックリしている。
「あ、飲み物、キシは何?」
「ああ、コーラで。」
「俺、クリームソーダ。」
キシが数曲入れた。
「佳純に歌って欲しいのがあるんだ。」
柳ジョージの歌を入れていた。
「俺、あんまり知らないよ。」
「ブルースが好きなんだよ。
彼は日本人の中で、本当のブルースを歌える男だった。この声がいい。
佳純の声は少し綺麗過ぎるな。」
「キシの声、好きだ。低くて男っぽい。」
初めて聞くキシの歌は、ゾクゾクするほどセクシーだった。
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