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第100話 ヤクザの顔
「俺の事、知ってんだよね?
知っててゴロ巻きか?ダセェな。」
4人は戦意喪失か?鼻血が止まらないようだ。
それ以上絡んで来ない。
「なんだよ。俺に用事があったんじゃないの?」
「キシを殺れ!ってM会じゃ懸賞金が出てるんで。」
「へえ、俺が賞金首か?
おもしれぇ。死ぬまでやるかい?」
「いや、今のでわかったから、今度はチャカ用意してきますよ。素手じゃ勝ち目はない。」
「誰が懸賞付けたの?」
「ウチの若頭で。高橋さんですよ。」
「あの人,もう若頭になっちゃってんの?
オタクの組もしょぼいね。人材不足か?」
M会は半グレの寄せ集め、と聞いている。
スジも通さない野合の集団だ。
「俺に、なんだって?」
「誰でもいいから幹部を狙えって言われてるんで。」
「おまえらのケンカって、集団で囲んで一人をやるんだろ。ガキのいじめと変わらねえな。
高橋に言っとけ。
仮にも息子と呼んだ事もある人間に4人で襲いかかるなんてよ。恥ずかしい奴だな。」
キシは悲しそうだった。
仁義もスジもわきまえない極道がいる。
「帰るよ。
おまえたちの流儀は後ろから襲う事か?」
くるっと背中を向けた。
キシはただ、本気を出して佳純に何かあってはいけないと、穏便に済ませた。
カッコつけてぶちのめしても良かったのだが。
佳純の背中に手を置いて車まで歩いた。
(落ち着け。俺は佳純を守るのが仕事だ。)
車を出した。
「キシ、こんな感じ?いつもこうなの?」
「いや、この頃、M会が上田組に仕掛けたくて仕方ないって感じなんで。」
「だから、ヤクザは嫌いなんだよ。
親父、廃業してくれねえかな。」
「それは無理ですね。
今でも上田組は一声数千の兵隊が集まりますよ。」
「そういうのが嫌なんだ。」
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