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第103話 ホスト ③
「呼ばれたのヤマじゃねえの? なんで俺?
「いいじゃん,減るもんじゃなし。
一晩付き合うだけだろ?3Pか?」
キシが餌食になったのだ。ただの枕営業だと思ったが。
翌日、車がキシたちの寮に迎えに来た。ヤマもついて行くと言い張った。嫌な予感。
都心のタワーマンション。エレベーターを乗り継いで上層階に着くと、大きな暗い部屋に通された。
美鈴さんが中央の椅子に座っている。強面の男たちが数人囲んでいる。
「キシくん、ヤマくん、
今度、ショーに出てもらうわ。
自主制作映画にも。」
客席がある、映画館のようなスクリーンに映し出されたのは、惨虐な動画だった。後に今関が夢中になったような、胸糞の悪いフィルムだった。
拷問ビデオだ。
「自主制作映画ってこれかよ?」
「ここではショーをやってるのよ。
まずは腕一本から、競りにかける。
お客さんが値段をつけるの。
腕の次は脚。切り刻まれて、そうやってだんだん身体がなくなって行く。
もちろん優秀な外科医が中国から来てるから
キチンと縫い合わせてくれるのよ。
ご心配なく。」
「何がご心配なく、だよ。
カタワにされるのかよ。」
壁の動画には、手や足のない人たちが暗い病院にいる様子が映っている。
「ここは、中国の病院よ。
死ぬまで面倒見てくれるわ。ウイグルの臓器提供に協力してくれた人たちも一緒にいるわよ。
殺したりしないの。手厚く介護してもらえる。
安心して頂戴。」
ヤマとキシはイケメンで身体も鍛えているから、価値があると言われた。
俺たちはホストクラブの支配人に売られた事が分かった。
「あなたたちの背負う売掛金が払える金額を超えてしまったでしょ。」
「あんたの借金じゃねえかよ。」
「店ではそう思っていないようね。
全部,あなたたちの借金。
あの店はM会の息のかかった店だと知らなかったの? ヤクザは怖いのよ。」
殺人を記録したスナッフビデオも作っていると言う。一定数の顧客がいるらしい。
「そう、変態マニアが結構いるのよ。」
美鈴さんの売掛が焦げ付いて、全部ヤマとキシの借金になり、M会から売り飛ばされた、と知った。
「あなたたちは出荷するまで身柄は拘束しないわ。残り少ない日々を自由に過ごして。」
寮に送り届けられた。まだここに住んでいいのか?
心配していたキムに全部話した。
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