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第118話 フェスの夜
佳純は、キシが涅槃寂静の知り合いだと知って
驚いている。飛鳥という人は、ボスが夫だというのにキシの腕に抱きついて離れない。
「キシ、この人たちと友達なんだ?」
(ただの友達がそんなにベッタリくっ付くかよ。
しかも、人妻!そしてストリッパー?)
「今度、若もF市の天下劇場にご一緒しましょう。」
デリコが
「ステージの飛鳥を見たら、感動するわよ。
蓮華坐のみんなも一度見るといいわ。」
御一行様が賑やかに出て行った。
「キシはどこに行くの?知り合い?」
「昔からのちょっとした友人ですよ。」
「ずいぶん仲いいんだね。」
佳純は嫌みを込めて言った。
「今日は俺のボディガードいらないでしょ?
しっかりステージ見させていただきますよ。」
客席の方へ行ってしまった。
(手を握って欲しかったな。震える俺を抱きしめて。)
素直になれない佳純だった。
トレーラーに誠と佳央がやって来た。
女の子を連れて来た。
「佳純、俺の中坊の時の友達なんだ。谷田玲子。と、誰だっけ?」
「失礼だね。上山春子だよ。」
佳純は佳央にハグした。そしてお得意のキス。
「ホントだ!
佳央がマブダチだって言ってたの。」
春子が感激している。
「すごいね。マジにキスしてる。」
谷田玲子も呆れている。
「佳央、俺、緊張してるんだ。抱きしめて!」
谷田玲子と春子は、痛く感激した。
「熱い友情だ。」
「熱すぎるけど・・」
何故か、バンドのみんなにサインしてもらって、玲子たちは満足して席に戻って行った。
初めてのサイン。
「頑張ってください。応援してまーす!」
この一連の出来事で、メンバーの緊張は解けた。
「俺、初めて人にサイン頼まれた!」
「芸能人みたいだ。」
「そんなに突っ張らなくていいな。
俺たちの出来る事を全力でやるだけさ。」
「肩の力を抜いて、今日のメニューを確認しよう。」
佳純はキシの行方が気になっている。
(客席で見てんのかな?)
あの生田芸能の社長が、女の子たちを連れてゾロゾロとやって来た。あのチンピラも一緒だ。なんと、今関がムービーカメラを持ってやって来た。一気に会場は不穏な空気に包まれた。
「あれ?天下劇場のストリッパーが来てるよ。」飛鳥の周りを屈強なラッパーたちが取り囲んでいる。
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