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第132話 スローター虐殺
いずみの夫、中山マサルは今関に連絡した。
「いずみがいなくなったんだよ。
今関、何か知らないか? 子供も預けっぱなしで、ノアと美知もいないんだ。ノアはおまえの彼女だろ?
いつもつるんでた連中も知らないって。
手が不自由なのにどこに行ったんだろう。」
父親がM会のヤクザだと、いつも自慢している中山を、今関は嫌いだった。取り巻きを従えて偉そうだ。
しばらくおとなしくしていた今関が,この頃またのさばって来ている。
「金があれば何でも出来る。命だって買えるんだよ。」
自分は、父親の金で生還したくせに,世の中を舐めきっている。
どんなコネクションか、あの六本木のタワマンに今関が来た。今関の好みそうなショーをやっていると進言した奴がいる。M会のチンピラだ。
まず、広い部屋で上映会だ。今関の好きな、
拷問ショーの動画だった。
「すげぇ!いいなぁ、俺もこういうの撮りたいんですよ。」
M会を通じて花田美鈴を紹介された今関は、嬉々としてこのタワマンに来た。父親の運転手に車を出させて偉そうに乗り付けて来た。
今関の今まで撮っていたイジメ動画を見た美鈴が興味を示したのだ。気をつけないと、美鈴の興味の対象は動画だけではない。今関は自分が暴力の対象になるとは思っていない。おめでたい頭の持ち主だ。
人を痛めつけるのはワクワクするが、自分は人の痛みを想像できない。今まで人を好きになったことがない。他人は虐めるためにいる、と思っている。
花田美鈴に案内されて広間で見せられた動画はC国で撮られたもののようで、少数民族の虐殺の様子が映っていた。
胸の悪くなるような暴力の数々。手持ちカメラの荒い画像が一層臨場感を増す。恐怖を増幅させる。
たくさんの身体欠損の人々。病院の映像だ。
続いて、健常な人々の手足を切断する動画。もちろん麻酔をかけて医師が手術している。
それでも健康な人の手足を切断するのは、寒気のする映像だった。
「もっと楽しいショーもあるのよ。
麻酔もかけずに生きながら切り刻むの。
大好きなマニアがいるのよ。
暴れて大変なんだけど。人間は昔から動物には当たり前にやってきた事よ。
熊とか、ね。子供も情け容赦なく虐殺してきたじゃない。人間にやってはダメだ、なんて誰が決めたの?本当はこういうのが好きなんじゃない?」
今関は嬉しくて漏らしそうだった。
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