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第133話 噂
M会は、上田組の掃除屋が金で寝返った事は知っていた。情報は金で買えるのだ。
掃除屋と呼ばれる殺し屋はフリーランスがほとんどだ。芋蔓式にパクられないように、汚れ仕事はその都度、金で動かす。それで今関は助かったようなものだ。上田組は落とし前をつけたが,誰も命までは取らなかった。掃除屋のテツにも、掃除屋とは言え、殺しまでは依頼していない。
元々殺しは御法度だ。必要のない人殺しは破門に繋がる。
「親父は甘いんじゃねえのか?」
「だから、舐められるんだよ。」
古参の武闘派組員は、歯痒いと言う。
親分は平和主義だ。
噂が流れてきた。
「何か、また、あのM会の息のかかったガキが不穏な動きをしてますぜ。」
あの花田美鈴が絡んでいるという。いち早く情報を掴んだのは、若頭の黒川だった。
「また、胸の悪くなるような動画が出回ってます。今関は海の底で魚の餌にもならなかったようですぜ。」
今度は花田美鈴と関わっているようだ。
この前、生田社長に六本木で置き去りにされた3人娘は、ナイトメアのホストに送られて帰ってきた。中山がホストを締め上げると
「勘弁してくださいよ。
こっちはフローラルグループの花田美鈴社長に頼まれて,お嬢さんたちを送って来ただけですから。」
「花田美鈴?誰だっけ?」
いずみたちに聞いてみた。
「テメェ、どこ、ほっつきあるいてんだよ。
ガキの面倒も見ないで。」
いずみはひっぱたかれた。
「六本木に変なショーやってる所があったよ。
アタシたちもアイドルデビューしないか?って言われてんの。」
「手もないのにアイドルだって?」
「うん、可愛いから動画撮って売れるって。」
「誰が買うんだよ?」
胡散臭い話だが、ノアと美知といずみは、ホストに送られてすっかり信用してしまった。
美鈴は彼女たちを切断ショーに使えると考えていた。
彼女たちは思考力がなさそうだから、まず両手から切断するのが面白い、と踏んでいた。
今関のサイコパスなど小学生並みだ。この花田美鈴こそ、最悪のサイコパスだ。
サディスト、そしてサイコパス。
花田美鈴はルーツがわからない。どういう生い立ちなのか?どんな環境でこんな狂人が生まれるのか?
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