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第134話 抱き潰す

 佳純はキシの背中の刺青を触っていた。 和彫りの唐獅子は綺麗な発色でいつも美しい。  キシの背中が綺麗な曲線を描いて前に屈んでいる。 「そんなに見ると穴が開くよ。」 「すごく綺麗だ。」  くるっと向きを変えて佳純の腰に抱きつく。 腰のタトゥーを唇で探る。 「佳純のタトゥーも綺麗だ。俺のライオン。」  二人、裸で抱き合うのが楽しい。 「はああ、喜志郎、やりすぎだ。 力が入らない。」  キシは許しを感じて、抱き潰す勢いで佳純を抱いた。狂おしいほどにその身体を堪能した。 「キシが激しすぎて、起き上がれない。」  もう二度と離さない。そんな気持ちで佳純を愛した。若い硬い身体をすべて記憶に刻むように抱いた。  ベッドに押し倒して、また身体中、弄る。 「可愛いな。顎に髭が見える。」 「キシも髭がある。俺のキシは男なんだな。」 「面白いこと言うな。知らなかったのか? 犯しちゃうぞ。」 「キシになら何回でも犯されたい。」  この幸せなゲイのカップルは並んで髭を剃る。 鏡に映るお互いを眺めて微笑む。頬に軽くくちづけされて佳純が赤くなった。  初心な仕草にキシの男がまた、目覚める。 「おいで。俺の膝に乗って。」  首に抱きついて激しいキスをした。 中々離れ難い二人だった。 「学校があるんだろ。送っていくよ。 朝飯を作ろう。」  二人がマンションを出た所に、見たことのない男たちが取り囲んだ。 (頭数は5人か。どこの奴だ?)  喧嘩慣れした相手のようだったが、こちらを舐めていた。  佳純とアイコンタクトして速攻、手前の奴を足払いで倒した。  佳純も身のこなしが早い。後ろの奴の肩を狙い蹴りが飛ぶ。  キシが向かってきた男を正拳で、突き飛ばす。鼻が潰れた感触がある。  足払いで倒れた奴にとどめの突きを喰らわせ、その横の奴をかかと落としで仕留める。  息が詰まる音がした。 「すげえ、あっという間に5人倒した。」

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