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第138話 佳央の部屋
佳純は佳央の部屋に来ている。居心地が良くてしょっちゅう来てしまう。
妹とも良く話すようになった。妹の佳奈はだいぶ打ち解けて、兄の佳央にも優しくなった。
佳純を見る目が恋する乙女だ。
「佳純、ヤバいことがあったんだって?」
「ああ、訳わかんないC国人に襲われた。
キシがめっちゃ強くて,大丈夫だったけど。」
「ヤバいな。奴ら銃とか持ってたら、いくら強くても死ぬぞ。」
確かにその可能性はあった。キシたちもそれを気にしている。
「この前は獲物を持ってなかったから良かったけど、キシにもしものことがあったら、俺奴らを皆殺しにするよ。」
「マジ、現実にありそうだよな。」
「佳奈ちゃん、ヤクザなんかに関わるなよ。」
「うん、漫画みたいだね。」
「漫画ならいいけどな。」
あの今関はもっと非現実的な世界にいた。
(この日本でこんなショーが許されるのか?)
誰も許可してはいない。
「彼らはどうなるんですか?」
美鈴に聞いてみた。美鈴は自分がC国人である事を隠さなかった。
「まだ、使えるパーツがあるうちはここで飼うわ。あと、弱ってきたら国に送って内蔵を取る。
世界中に待ってる人がいるのよ。」
最初に見せられた病院の動画には、そんな患者らしき人々が映っていた。手足の無い人々。
気持ちの悪い事を平気で話すこの女に今関は興味が湧いた。
「彼らは国に逆らう工作員なのよ。
本来なら死刑なんだけど、身体がもったいないから無駄なく使うのね。」
国家を代表する主席が世界に向けて臓器の値段を公表した。
なぜか、心臓より腎臓が値段が高かった。
腎臓がニーズが多いからだ。
こんな手術はしたくない、と外科医がカナダに亡命した事件があった。まだまだ亡命者は増えているらしい。心ある医者なら耐えられないだろう。
「ちょうどいい女の子たちがいるのよ。
今度連れてくるわ。手首を切断しようと思ってるの。」
今関は付き合っていた大山ノアの事を思い出した。
(まさかな。ノアのはずがない。
別に俺はどうでもいいけどな。)
ちょっと切断されるノアを見てみたい。
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