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第140話 上田組
今夜は上田組の幹部が続々と事務所に詰めている。三人娘の一人、ノアの手首が送られて来たのだ。当然警察に届け出る。指の潰れた痕跡のある手首を警察に理解してもらうのに苦労した。
あの見せしめにトロッコで轢き潰した事は警察も問題にするだろう。
M会の中山が上田組にやって来た。いずみの亭主だ、と名乗り、警察で三人娘が廃工場で遊んでいて指を轢いてしまったと証言した。医師の診断書も持って来た。上田組の仕業ではない事を証言してくれた。
「なんで、M会の人が上田組の擁護してくれたの?」
組の者がみんな驚いている。
「とにかく、手首の切断なんて大事件だ。」
イジメ動画を撮っていた今関をみんなが嫌っていたのは確かだ。辰夫が先頭に立って高校生のイジメ動画を訴えた。
「自分、ずいぶん、悪い事をしました。
警察が介入して、イジメを犯罪と認定してください。」
「それは、被害届を出さないと、犯罪認定は難しいんだよ。でも、警察はしっかり調べるよ。」
事態は高校生のイジメ、という問題から大きな犯罪の匂いにつながりそうだ。
六本木のタワマンに連れて来られた三人娘はもう抵抗する気力も無くしていた。
ノアが目の前で手首を切断されたのを見て諦めてしまった。
「アタシたちも手、切られるの?」
「麻酔がかかってるから大丈夫。痛くないよ多分。」
「やだーっ助けて!」
屈強な男が入って来てガムテープで口を塞いだ。今関が後に続いて入って来てカメラを向けた。
(この外道!
後でうちのダンナが助けに来てくれるから。ダンナはM会のヤクザだよ。
おまえなんか酷いリンチにあえばいいんだよ。)
モグモグと叫んでいるらしい。
身動き出来ないようにデカい結束バンドで手足を締め付けられている。
きつくて足が紫色になっている。
「どうせ切断するんだから壊死しても構わないわ。」
美鈴が言う声が聞こえた。
生田社長から聞き出して黒川が上田組の若いもんを連れて向かっている。
ヤマとキムとキシも一緒だ。
間に合うか?
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