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第155話 一人の部屋
キシは思い出す。
遊び疲れてたどり着く一人の部屋。気のあった連中と遊んでいても最後は必ず一人になりたかった。
「キシは一人が好きなの?」
「ああ、憧れは熱い国。ジャマイカだ。」
緩い生き方。10代の頃、ジャマイカに行った。
貧しい国。政情不安な国。
でも、行ってみれば人々は優しかった。
犬も優しく揺れてるような、みんな笑顔で優しい。クラブで知り合ったラスタマンについて行ったら、彼らのコミュニティだった。
パイプを回し呑みしてガンジャを知った。
町に音楽が溢れてたよ。でかいスピーカーを担いだ奴がいる。すぐに集まって踊り出す。
ラスタファーライ!女の子たちも緩い感じで
恋が始まる。優しいんだ。」
「女の子とセックスした?」
「いや、俺はボブマーリーみたいな男とやったよ。東京から一緒だったから。」
「その人と二人でジャマイカに行ったの?
いいなぁ。」
「日本に帰って来たらそいつパクられて、結局別れてしまったよ。ジャンキーだったんだ。」
佳純はショックだった。もちろんキシに恋人がいたって当たり前なのに、子供じみた悲しい気持ちになった。
「一人暮らしのキシの所に行きたかったな。」
「今、来てるじゃないか。」
「その頃だよ。キシはいくつ?」
「19才だったかな。」
「その頃出会いたかった。」
キシが笑ってキスしてくれた。
「ははは、佳純は小学生か?
可愛かっただろうな。」
「うん、こんなに大きくなって可愛くないね。」
「俺よりは小さいだろ?」
「うん、181cm。」
「1センチが微妙だな。」
「キシは?」
「188cmあるよ。」
「素敵だ。」
「ベッドが狭いな。」
「いいの、くっついてるから。」
キシも佳純も不安要素は先送りしようと思った。
「明日は気をつけよう。
一人で外、歩くなよ。」
それでも銃を向けられたら、逃れようが無い。
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