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第157話 通報
「キシ、撃ち込まれた。音がしたのは6発だ。」
「車のボディに当たったようだ。
佳純は大丈夫か?」
「うん、警察に通報した方がいいの?」
「そうだな。遠藤くんの家に迷惑かけるな。」
「でも、シカト出来ないでしょ?」
「引き返すのは危険だ。
撃った奴は弾使い果たしただろ?」
しばらく走って組に連絡した。
佳央に頼んで警察に通報してもらったから、現場検証に立ち会わなくてはならない。
佳純はもう佳央の家に顔向けできない、と思った。ヤクザの息子と付き合うな、と言われるだろう。いつも何かが落ち着いて来ると、ヤクザの息子の顔が邪魔をする。
せっかく出来た友達にも迷惑を掛けてしまった。
帰ると組の中は大騒ぎだった。
「まだ、しつこく若を狙ってるんですかね?」
「警察は何も出来ませんよ。」
裏で画策しているのは高橋だろう。ガキが集まって何か落とし前をつけようという事になったのだろう。
前回、無罪放免となった門田の仕業とは思えない。一度失敗した下っ端の出る幕ではないだろう。
現場検証に立ち会ったキシと佳純は、佳央の父親から厳しい事を言われた。
「もう、ウチに来ないでもらいたい。佳央にも近付かないでもらいたい。
実弾を撃ち込まれるとか、全く洒落にならない。」
「申し訳ありませんでした。」
項垂れて謝罪する佳純に、佳央が走って来て
「何言ってんだよ。佳純だって被害者なんだよ。
おやじ、最低だな。俺の大事な親友なんだ。
こんな時こそ、そばについていたいよ。」
跳弾がいくつか壁に刺さっていた。
「鑑識に回さないとわかりませんが
C国製の弾のようです。
落ちていた薬莢も調べます。」
佳央の父親にさりげなく、
「上田組は反社の組織だから、息子さん,付き合わない方がいいですよ。」
刑事が言った。
佳央のおふくろさんが出て来て佳純をハグしてくれた。
「上田くんが無事で良かった。
いつでもご飯食べにいらっしゃい。
気を付けて。」
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