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第162話 スタッフ

 新宿のタワマンにスタッフ面接でヤマとキムが来た。他にもたまたま募集を見たという体で、上田組の若いもんが数人来ている。  このタワマンはオリンピックの時、都知事の肝入りで建てられた高級マンションだ。  今は分譲されてほとんどがC国人のものになっている。  最上階がステージで、下の階がスタッフルームのようだ。 「今日はイケメンがたくさん面接に来たわ。 このサイトがよくわかったわね。 普通、裏求人のページには中々飛べないのに。」  すごい美人が面接官だった。最初にヤマを見てそう言った。ヤマは答える。 「ええ、仲間にオタクがいるんでね。 一日中ネットサーフィンやってるんで。」 「何の仕事かわかってる? 報酬がいいのはそれなりに覚悟がいるわよ。」  ガタイのいい酷薄そうな男が仕事の説明をした。外見と違ってオネェのようだ。 「まず、オークションに出す商品の管理。 それからオークションの手伝い。 これは小綺麗な男がいいわ。VIPが来るからね。こんなブラックバイトに応募して来るんだからあんたたち、堅気じゃないでしょ。」  運転免許証を出せ、と言われた。みんな、目の前の長机に並べた。 「どちらの組の人かしら?」 「別にどこにもゲソ入れてないですよ。 ただのホスト崩れです。」 「いいわ、気に入った。日給は10万円。 破格のバイトね。拘束は1週間。」  説明役が先ほどのすごい美人に代わった。 「お客様を送り出して、後始末までやってちょうだい。わかったら下の階に部屋を用意してあるわ。住み込みってわけじゃないけど拘束時間が長いから家に帰ってる暇は無いかもね。」  口外無用、と誓約書を書かされた。 「ここで見聞きした事は、絶対に他に漏らさないで。免許証のコピー取ったからね。  守らないとそれなりの制裁措置がありますから。」  中を案内された。 最上階は、ステージと客席の他に、何かステンレスの手術台のようなものと病院のような立派な設備があった。 「なんだ、ここ?」 「医療設備があるね。気持ち悪い。」  奥の部屋で、面接をした女が誰かと話している。数人いるようだ。 「また、二人しかいないの? コンテナから連れて来たんじゃないの?」 「まだ、こちらに着いて無いんですよ。 山岡さんが運んでくるはずなんですが。」  山岡はM会の幹部だ。

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