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第164話 人間競市 2
威張り腐った男が来た。
「会長、これはこれは、会長自らお出ましとは。
織子さん、お席用意して。
まだ、準備が出来てないんですよ。
申し訳ナイネ。」
M会の会長がお供を引き連れて、様子を見に来ている。仕切っている男が平身低頭だった。
「やあ、いいですねえ。いいステージだ。
私は真中真(まなかまこと)。
上から読んでも下から読んでも真中真。
M会の会長ですわ。」
広域暴力団M会の会長はお茶目な奴だった。
人を食った奴。これは比喩。本当に食いかねないので注意⚠️
「チャイマの孫(ソン)さんに誘われて来てみたけれど、いいねえ。
六本木でやってたのは、残念だった。
ウチの下部組織が絡んでたんだっけ。
あの女、花田美鈴は惜しかった。いい女だったね。改造人間だって、孫から聞いてたけど、一度抱かせてもらいたかったのに。」
やっぱり、クソ外道だ。極道と名乗らせたくない。ヤマとキムは初めて見るM会の会長に鼻白んだ。
「オークションは明日になります。
皆さんにはお知らせしました。
会長も明日おいでくださいな。」
「ああ、今夜は愛人の家に泊まるから。
明日,楽しみにしてるよ。」
「孫悪事と李平銭をご紹介出来ると思います。
国務大臣の岩谷氏もお忍びで来る事になっています。都知事も顔を出すと言ってます。
会長、ぜひともよろしくお願いします。」
「皆さん明日はこの仮面を付けて参加されます。身元が分からないように。
必要なら、個別にご紹介しますよ。」
下の階の檻に入った女子高生が、気になって織子は降りて行った。
「杉田、鍵開けて。」
檻の中で谷田玲子が
(ガチャガチャ音をさせて誰か,入って来た。
春子、春子、助けが来たのかも!起きて!)
小声で囁く。
ガンッと檻を蹴られた。
「臭いわね。垂れ流しね。
明日はお風呂に入れて着替えさせて。
女子高生も台無しね。」
「帰らせて!ここから出して。
何でこんな事するの?」
スマホが転がっている。充電はない。でも位置情報でヤマとキムがここにたどり着いた。
彼女たちも、今に助けが来る、と信じていた。
(助けられるのか?ここは敵だらけだ。まだまだ増えるのか?)
どうやって突破するか、考えている。
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