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第165話 人間競市 3

 キシはヤマとキムを送り出してから新宿のタワマンを調べた。 (またC国が絡んでる。花田美鈴の後を続ける奴がいるんだな。気持ちの悪い事は無くならないな。)  佳純が佳央から頼まれて、携帯から大体の居場所がわかりそうだ、と連絡した。 「そんな、反社の人に頼むより、警察でしょ。」  谷田玲子の親が警察に行った。 (ま、警察には権限もあるし、任せた方がいい。)  場所を親に教えた。親にどんな方法があるのか、は知らない。  一方、競りの会場では、コンテナから人間が送られて来た。港のコンテナから車に乗って、何をされるのか知らないまま、連れてこられたのだろう。 「さあ、お風呂に入って手術着に着替えて。」  織子が支持し始めた。 谷田玲子たちは抵抗したのでスタンガンで打たれて静かになった。 「痛いよ!火傷した。あれがスタンガンっていうの?怖いよ。何されるの?」  他の人間はもう魂を抜かれたようで抵抗する意思もないようだ。彼らはコンテナに乗り込む前から散々痛めつけられていた。  中に2才くらいの女の子がいた。まだお母さんが恋しい年だ。一人で不安そうだ。やっとよちよち歩きが出来るような小さい子だ。  檻から引き出されてステージに上げられた人間の中にその子供もいた。  春子が抱きしめて安心させている。まだ、オムツをしている。 「面倒だからオムツは付けっぱなしでいいんだよ。」  スタッフのC国人が言った。 「お腹空いてない?」  コクンとうなずく子供に玲子が 「なんか食事は出ないの?」 「騒ぐな。ゲストがたくさんいらっしゃるから。」 「いつになったらここを出られるの? お客がいるなら騒ぐわよ。」  玲子は気が強い。一歩も引かないでスタッフと渡り合っている。  一階から上がって来たスタッフが 「何だか、暴走族が集まってる。バイクの奴らがすごい数だ。何だろうな?」  ヤマとキムは顔を見合わせた。さっきメールで、キシが昔の仲間を連れて集まってると連絡が来た。  カシラの黒川もタワマンに向かっている。 警察が動き始めた。  絶対に身バレしたくないゲストばかりだ。

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