166 / 178

第166話 人間競市 4

 佳純は、キシがバイクでタワマンに向かっているのを知って悔しがった。 「バイクなら俺だって持ってるのに。 一緒に行けたのに。」  佳純は寂しく思った。 (所詮、キシはヤクザだ。俺を置き去りにした。)  オークションが始まった。高級車でゾクゾクと乗りつけたVIP客たち。絶対に面が割れないようにマスクを付けている。仮面舞踏会?  大物たちが綺麗なパートナーを連れて客席についている。 「楽しみだ。六本木が潰れてから、おもしろいショーは久しぶりだ。」  よだれを流さんばかりの大物政治家が言った。 「若い女の子もいるって。楽しみだなぁ。」 「もう、岩さんったら。 若い娘なんて気に入らない。 顔とか潰しちゃってよ。 綺麗な肌とか,薬で溶かしちゃって。」 「怖いなぁ、美久ちゃん。」 「だって岩さん、若い娘が好きでしょ。 悔しい!」  新宿一と言われるキャバ嬢、美久が言った。 この程度の女が一位とは。 「小さい子がいるって?2才じゃ小さすぎるだろ。」 「C国じゃ生き作りにして赤ん坊を食うそうじゃないか。」 「李平銭さんは酷いなぁ。」 「金さえあればいいんだろ?」 「そういう孫悪事さんも、残酷な解体ショーを見たいんでしょ。」 (なんだ、こいつら、気狂いか? マグロの解体ショーじゃねえっての。)  キムは気分が悪くなった。まだ何も始ってないが充分に不穏な空気が流れている。  織子がセクシーなチャイナドレスで現れた。 「さあ、皆さん、お値段付けてくださいね。 今日の目玉は日本人の女子高生。  タイプは、腐女子です。日本人の新種。 面白い性癖の娘たちよ。ホモの男が好きなんですって。さあ、買い取って遊んでみてね。」  だいぶ認識がズレている。 「キモい事言ってんじゃねえよ!」  谷田玲子が叫んだ。 「面白い。そのピチピチギャルを買おうじゃないか。」  国務大臣の岩谷が声を上げた。 「岩さんったら。こんな小娘、どこがいいのよ。」 「美久ちゃんはやり過ぎなんだよ。」

ともだちにシェアしよう!