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第169話 人間競市 7
「やめて!きゃああっ!」
「うるさい女だね。お仕置きしてやって。」
白衣を着た男が何か注射器を手に持ってやって来た。
「コレ、イタイヨ。
死なないけど、イタクテみんな殺してくれって叫ぶヨ。」
「こわい、こわいよーっ!」
口を大きなガムテープで塞がれた。
「他の方たちのショータイムはどうします?」
「さっきのガキはどうした?」
あの子供はおとなしくしている。酷い事をする大人を見慣れているのか。
他にも3人の男が縛られて繋がれている。諦めているのか静かにしている。
黒服の一人が小さな声で縛られた男たちに
「アンタたちはおとなしいね。
何か知ってるのか?」
言葉がわからないようだ。ひとり、C国人のスタッフが話しかけると答え始めた。
「こいつが言うには、国にいる家族が殺されないように、自分が志願してここに来たんだって。」
日本で臓器を移植するドナーとなるためにここに来た、と言っている。
「アンタが死んじまうよ。」
「そんなにすぐに全部取らないって言われてるから、まだ生きられる。」
「そんな酷い事。君たちは健康なのだろう?」
「ウイグルではこれが当たり前だそうです。」
さっきの子供もウイグルの仲間だという。
C国人のスタッフにヤマが
「なんでそんな事、教えてくれるんだ?
見つかったらおまえがヤバいんじゃねえの?」
キムが話を聞いた。
「誰かが助けに来てくれるのを待ってたんだって。」
あまりにも酷いから。
ヤマとキムは下に集まって来た暴走族と連絡が取れている。踏み込むきっかけを探っている。
(ここのスタッフはざっと20人くらいか。
他のフロアにもいるのか?
きっと武器も用意してあるんだろうな、バックにM会がいるんなら・・)
タイミングを測っている。この中で誰が敵か、味方に出来るのは誰と誰だ?
(下手に動けねぇ。)
エレベーターが上がって来た。扉が開くと何とキシが乗っている。黒服姿でスタッフに紛れている。
「しっ、声出すなよ。」
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