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第172話 検挙

「なんだよ。マッポはC国人の味方かよ。」 「広域暴走族指定、下総房総連合のメンバーは 残忍検挙されました。」  警視庁の知らせにキシたちは唖然とした。この逮捕劇は 「北関東の不良たちが新宿に出て来て起こした暴動。」 というニュースで終わった。まるで、田舎者と言わんばかりの扱いだ。事務所に戻ったみんなは悔しがった。 「何ですかね。何事もなかったとされて。 あの気持ち悪いショーは無かった事にされてる。」  人身売買や臓器摘出。政財界の大物が金で人間をオモチャにする。女子高生を誘拐してまで弄ぶ。あれを無かった事にするのは無理だ。  気を使ってか、C国人の逮捕者は僅かだった。 C国人の黒服のボーイたちが数人逮捕されただけだった。  キシたちには、避難する観客を誘導して助けた事で感謝状が贈られた。 「なんだか、事実を無理に捻じ曲げて丸く収めたって感じだ。納得いかねぇ!」  佳純も事務所に来て話を聞いた。 「あの女子高生が無事に帰れて良かった。 佳央も感謝してたよ。  でも、俺は置いて行かれたこと、今も根に持ってる。」  そもそも裏で糸引いてたのは元組員の高橋だった。 「高橋ってのは、M会の本家ではあまり信用されてない。かつてウチの代紋、一度は背負った男が 簡単に寝返ったんだ。 今回も何か手柄を焦ったみたいだな。」 「イジメ暴行に加担してた女子高生を使ってたんだ。今関の父親を抱き込んでこの町をいいように操ってた。」 「いかんせん、奴はそこまで頭の切れる人間じゃ無かった。」  M会が急激にこの町に勢力を伸ばして来たのは、今関の息子の撮った動画がきっかけだった。  まずは北関東の田舎町でどれだけのシノギがあるのか、ガキを使って下調べをした。  この町にはM会の支部のような中山一家というのがあった。誘いが来ると中山はすぐにM会の傘下に入った。中山一家は田舎町の弱小ヤクザだったが、息子の同級生が、ネットに流す残虐動画は金になると、踏んだ。  ネットでは今関の動画は大手のプラットフォームでは相手にされない。すぐにバンされてしまう。 「今関くん、ウチの組織が売ってあげるよ。 闇ルートがあるんだよ。」  中山の父が美味しい話を持って来た。当時、今関の父親は工業団地を牛耳る地方の大物だった。

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