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第175話 その後

 辰夫は、あのイジメ暴行動画が後を引いていてここまで大事件になった事に驚いていた。  全ての事情を知る事は出来ないが、かなり深い問題が隠れているように見える。それを知りたいと思った。  今でも女子高生が誘拐されたりしているのだろうか?  イジメ暴行動画や悪質な強姦動画を組のシノギにしているM会を潰したいと思った。 「辰夫は真面目な性格だな。 見どころがあるぞ。  ヤクザには、この世の闇もあるが、この世の悪を暴く力もあると思いたい。  必要悪もあるんだよ。警察では解決出来ない事のために。」  佳純は腹を決めた。ヤクザを継ぐ。 兄貴の純樹は上田組の顧問弁護士になった。 ヤクザの理不尽と戦う弁護士。ヤクザの闇を暴き、ヤクザを擁護する。 「自己矛盾の弁護士だな。 一般人からは忌み嫌われる。損な役だ。」 と笑っている。  一方佳央は,帰って来た谷田玲子と上山春子に会った。佳央から佳純を介して黒川に繋いで、キシたちに救出された事だ。彼女たちの親から,すごく感謝された。 「頬の所に小さな火傷の痕があるの。 硫酸が一滴飛んだ所。」  玲子の頬に小さな火傷の痕が残った。 春子の足の踝の皮膚が一部削れている。チェーンソーの触れた痕だ。 「一応証拠になると言われて警察に見せたの。 あの時は怖かった。」 今だから笑って話せるが警察の事情聴取が長かった。  その後、玲子たちになぜか警察を通してM会のフロント企業から大金が支払われた。 「このお金は何?」 「治療費と慰謝料だって。たぶん口止め料だね。」  しばらく家のそばに公安の人が立っていることが続いた。 「誰かに言ったら消される?」  そんな話も笑えるようになって行った。  佳央には何でも話した。 「警察なんて関係ないね。怖くないよ、ちゃんと生きてれば。」 「このお金は,どうしたらいい?」 「遠慮なくもらっておけって。」  汚い金でも、玲子たちは怖い思いをした。 もらう権利がある。 「大学に行く学費にしたら。」

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