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第6話
二人で手を繋ぎながらホテルへ戻った。繋がっている手と手が焼けるほど熱い。
僕たちは早くひとつに繋がりたいという欲望に、頭の中は完全に支配されていた。夕飯の時間も取らず、逸る気持ちを喉元まで限界に押し込めながら、部屋のドアの前で我慢できずにまたキスをした。
唇から漏れる吐息も火傷しそうなほど熱い。僕たちは我を忘れたように貪るようなキスをする。
本当は、退院したばかりの一磨との激しいセックスをすることに躊躇っていないと言ったら嘘になる。でも、僕たちはもうお互いに本当に限界で、一度キスをしてしまったら、もうそれは導火線に火が付いたのと同じで、その先を止めることなど不可能だった。
「湊、湊……愛してる」
一磨は僕の耳元にそう囁きながら、僕の耳たぶを軽く噛んだ。僕はその僅かに痛みを伴う刺激に首筋をぞくりと粟立たせる。
「……いたっ」
僕は一磨の唇から逃れるように顔を背けた。
「湊は? 俺を愛してる?」
一磨な僕の両腕を掴んでドアに押し付けると、そう言った。
「早く、中に入ろう……入ったら言うよ」
「分かった……」
僕は一磨の手から逃れると、ポケットからカードキーを出してドアを開けた。ドアを開けた瞬間、一磨は僕を横抱きに抱え上げると、そのままベッドへ放り投げる。
ベッドへ弾みを付けて倒れ込んだ僕を、一磨は素早く四つん這いになって見下ろした。
一磨の目は興奮で熱く潤み、いつもの何倍もセクシーな眼差しを僕に向ける。
そんな目で見つめられると、僕も胸が爆発しそうなほど興奮してしまう。僕は一磨の首に腕を回すと、そっと引き寄せ、一磨の耳元に口を寄せた。
「僕も一磨を愛してる……すごく、すごく、愛してるよ……」
一磨はフリーズしたように体を一瞬強張らせると、僕をじっと見つめた。一磨の官能的な瞳の中に潜む、切なげに揺れる感情を見つけると、僕は何度でも一磨に『愛している』と言いたくなる。
「一磨がいない世界なんて全然考えられない……ああ、今でも僕は、一磨を失う恐怖で体が震えるんだよ……ひどいよ、一磨」
僕は、一磨をわざと睨みつけるようにしてそう言った。
「ああ、ごめん。湊。俺、早く湊に会いたい一心で、つい……ほんと後悔してる」
一磨はすまなそうな顔で、『ああ、許して、湊』と言って、僕の頬にキスをした。
「許さない……だから今すぐ、一磨がちゃんとここにいるって僕に証明して。僕と繋がって、早く……」
僕はそう言って身体を起こすと、自ら着ているシャツを脱いだ。脱ぎ終わると、震える手で、一磨の着ているシャツのボタンを上から外し始める。
「早く、一磨……苦しい……」
僕は一磨のシャツを脱がせると、今度は自分のズボンも下着も躊躇わず脱ぎ捨てる。完全に裸になった僕を見て、一磨も自らすべての衣類を脱ぎ捨てる。
「触って……一磨」
僕は既に昂ぶっている自分の中心を掴むと、一磨の前に突き出した。一磨は僕のそれを食い入るように見つめると、男らしい喉仏がゆっくりと上下するのが分かった。
「分かった……」
一磨はそう言うと、僕の中心を掴み、僕の先端をいやらしく捏ねり始める。
「やらしいな、もう、濡れてるじゃん」
一磨は僕を見つめながら、意地悪くそう言った。
「はあっ、あ、んんっ」
僕は一磨から与えられる愉悦に素直に身を委ねる。本当に気持ちが良くて、まだ始まったばかりだというのに、このまま意識が遠のきそうになる。
「ああっ、ちょっと!」
僕が快感に目を瞑っている間に、一磨は僕の中心を素早く口に含んだ。一磨の口腔は僕のそれを熱く包み込みながら、そのいやらしい舌で、僕の良い部分を巧みに刺激してくる。
「ああっ、それはダメっ、すぐにイっちゃうから!」
一磨は激しく僕のそれを口で愛撫しながら、長い腕を伸ばして、僕の胸の突起を強く摘まんだ。僕はその劈くような刺激から慌てて理性を取り戻すと、一磨の口から自分の中心を素早く抜き取った。
「はあ、はあ、ま、待って一磨……今度は僕が……」
そう言って僕は一磨を押し倒すと、一磨の上で四つん這いになった。でも、一磨はその隙に、僕の両方の胸の突起を、中指を左右に揺らしながら掠めるように愛撫する。
「はあっ……ううっ」
僕がその刺激に背中を仰け反らせながら喘ぐと、一磨はベッドサイドに置いてあったローションに手を伸ばした。
「待てないのは、俺も同じだから……」
一磨はいきなり、自身のいきり立つ中心にローションを塗り手繰ると、今度は、僕の秘部に手を伸ばし、そこにそっと指を忍ばせる。
「ごめんよ、湊、今すぐ挿れたい……」
一磨は僅かに焦点に定まらない目で僕にそう言った。
「あっ、はあっ、うっ……んっ、いい、よっ、挿れて……」
一磨は自分の指にローションを垂らすと、構わず僕の秘部を長い指で掻き回した。その久しぶりな刺激に、僕の心臓は、強い期待を込めながらバクバクと早鐘を打ち始める。
「湊、いくよ!」
一磨はそう言うと、自身の先端を僕の秘部にぬちゃぬちゃと擦り付ける。
「ああ、んんっ、焦らさないで!」
僕がそう叫んだ時、一磨の昂ぶりは、容赦なく僕を下から一気に貫いた。その刺激に、僕はカっと目を見開くと、全身の血が沸騰するように熱くなるのが分かった。
「はああっ、ああっ、ヤバい、一磨!」
僕は、一磨の激しい突き上げに体勢が崩れそうになる。それに気づいた一磨が、僕の両手を、指を交互に絡ませるようにして掴んでくれる。
「湊、湊、俺を感じて!」
一磨は僕を見上げながら、激しい律動を続けてくる。その律動に僕の中は、まるで安心したように忠実に、一磨からの愉悦を得ようとする。
僕たちは今、自分たちの繋がりを下半身で強く感じている。その繋がりから生まれる、完璧な快楽を余すことなく味わい尽くそうと、腰を強くぶつけ合いながらお互いを激しく求め合う。
「はあ、はあ、湊、気持ちいい?」
一磨は僕の様子を伺いながらそう問いかけた。
「うんっ、ああっ、そこ、ダメっ、き、きもちいいっ」
「ここ? ここだね?」
一磨はそう言うと、僕の良い部分を自身の昂ぶりで、正確に突き上げる。
「そう! そこ、ああっ、やだ、やだ、ダメっ、イキそっ、ううっ」
僕は強い愉悦に涙を滲ませながら、自分に迫り来るオーガズムに、体を小刻みに痙攣させた。
「イって、湊、俺も限界……」
一磨はそう言うと、僕への腰の突き上げを更に加速させた。
「はああっ、ああっ……一磨、一磨!」
僕は一磨の名を呼びながら、脱力したように一磨の胸に倒れ込んだ。自分の中心から精がトクトクと吐き出されているのが分かる。吐き出される度に僕は、止まらない快感に全身を強く戦慄かせた。
「ううっ、はあ、はあ、湊っ」
一磨も僕の名を切なげに呼ぶと、僕たちはお互いの精を、自分たちの体の一部で感じながら、また引き寄せられるように、深い、深いキスを交わした……。
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