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普通の代償 2

魔法を授かった者であれば、必ず入学を義務付けられている”ハートン学園“。 ヴェネッタは現在この学園の2年生だった。 義務付けられているというものの学園の学費は相当な金額であり、産まれたての赤子の名前を使って借金をするような親がそんなもの払ってくれるはずもなく ヴェネッタは高額な学費と法外な借金の返済で毎月火の車だった。 しかし、そんなヴェネッタに救いの手を差し伸べてくれたのが 彼が信仰してやまない“大天使の生まれ変わり”こと、レンシアだ。 正確にはレンシアのルームメイトが立ち上げた財団に、だが。 ヴェネッタやレンシアのように資金援助先のいない苦学生を救うべく立ち上げられた財団は、 寄せられた寄付金で学費を代わりに払ってくれるというもので ヴェネッタは最近その恩恵に預かっていたのだった。 「な…なななぜそのことを…?」 「当たり前だろ!お前のことは何でも知ってるんだぜぇ? つうか新聞に書いてあったしな」 男はニヤニヤと笑いながらヴェネッタに顔を近付けてくる。 「だ、だ…だからってそんな、急にこんな金額払えないですよ…! が…学園内で商売も出来なくなりましたし…っ そ…そそそうでなくたって、ここ、こんな…ひゃ、100万なんて…」 「これでも譲歩してやってるんだぜぇ? 毎月この金額でも500年の借金が400年に縮まるかどうかって話だ!」 「え…えぇ…? そ…それでは計算が合わないのでは……だって毎月の20倍だとしたら…」 「うるせえ!!利子ってもんがあるんだよ! 待ってやってる分手数料ってのが発生してんだ!」 大声で怒鳴られてヴェネッタは、ヒャァ!と叫びながら紙を握りしめて震えてしまう。 校舎裏には自分達以外誰もいないし、男達に囲まれてヴェネッタはどんどん壁に追い詰められていく。

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