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普通の代償 4
人に向けて魔法を放つのは禁止となっているが、この場合正当防衛だろうかと必死に考えている間にも男が耳に噛み付いてくる。
「ぃ…いや…っ…いやすぎる……っ」
「嫌過ぎるってなんだよ失礼な奴だな…優しい方だろ」
「待っ……」
ヴェネッタが絶望していると、ニヤニヤ笑って見ていた後ろの男達が無言で吹き飛び
身体を弄っていた男も凄まじい勢いで持ち上げられ、地面に放り投げられた。
「学園内は部外者立ち入り禁止、校舎内での性行為禁止、
そもそも強引な借金の取り立ては法令違反とちゃうか?」
ヴェネッタの前に立ちはだかったのは、赤茶色の髪の生徒だった。
浅黒い肌にがっしりとした体格、その頼れる背中にヴェネッタは瞳から涙が溢れてきてしまう。
「い、い、イヴィト殿ぉぉ……」
ヴェネッタはへなへなと地面に崩れ落ちた。
よく見ると2人と男達の間には透明の壁のようなシールドが張られている。
「な、なんだテメェは…!」
「こっちの台詞や!よくそんな卑劣な真似が平気で出来るもんやな…!信じられへん…!」
「うるせぇ!そいつが借金してるのが悪いんだろ!」
男は地面に座り込んだまま威勢だけはよく挑発してくる。
イヴィトは地面に落ちていた請求書を拾い上げると、腰に手を当ててそれを眺め始める。
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