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栄華の残骸 3
魔法は魂に宿る。
魂を濁すような真似をしてはならない。
そんな“大天使”達の言葉を胸に、ヴェネッタは朝から晩まで働くという辛い日々を耐えていった。
ハートン学園に入学すると、父親から解放され、安全な寝床と3食の食事に風呂まで提供されて
高い学費を取るだけのことはあると思いながらもヴェネッタは束の間の幸せを享受した。
しかしやっぱり幸せの対価というのは目玉が飛び出るほど高額で、月々の返済と合わせても一介の学生が払えるようなものでは無かった。
しかし“大天使の生まれ代わり”が入学してくるまで、せめて1年は居なければとヴェネッタは知恵を絞りなるべく時間を捻出してバイトと魔道具製作に充てることにした。
そうやってどうにかこうにか日々を必死に生きて、一学年下であるレンシアが入学してくるまでヴェネッタは耐えたのだった。
初めてレンシアの姿を見た時は本当に腰が抜けて立てなかった。
ヴェネッタにとっては憧れというよりも最早神のような存在だったので、神の姿を生で見てしまったとその日は興奮で眠れなかったものだ。
一挙一動が美しくて、纏うオーラもまさに天使と言わんばかりの神々しさだった。
それからヴェネッタはレンシアの視界に入らないように気をつけつつも、いつも彼のことを見ていて、
学園でのご様子といった旨を“B.E.R”に報告し
定期的に発行されているB.E.Rの会報誌“予言の光”では学園レポートの連載記事を担当する事となってしまった。
授業とバイトと魔道具屋という生活をしながらもレンシアのことを見守るのは正直時間が足りないくらいだったが、
それでもレンシアの学園でのご様子のレポート記事を書いている時は本当に楽しくて楽しくて、よい息抜きにもなっていた。
レンシアは当然ながら成績優秀でほとんど学年主席も同然だったが、誰に言われなくてもいつも勉学に励んでおり
立ち居振る舞いはいつも完璧で、嫉妬に狂った他の生徒達がよからぬ噂を立てていても
いつも凛として、堂々として過ごしていた。
ヴェネッタはそんな姿に、ますますレンシアを推すようになってしまったのだった。
本当は一眼でも見れたら学園をやめてもいいと思っていた所のだが
せめて自分が卒業するまでは見守っていようと決め込んで、睡眠時間を削れるだけ削り、
学業とバイトと推し活に勤しむ日々を送っていたのだった。
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