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500年の清算 1
そんなヴェネッタの頑張りを神様も多少は評価してくれているのかもしれない。
目の前で“大天使の生まれ代わり”が長い睫毛を揺らしながら優雅にペンを走らせていて、それを思わずぼけっと眺めてしまう。
金色に輝く髪、どこか憂いを帯びた紫色の瞳、
本当に同じ人類なのだろうかと怯えるくらい神々しいオーラを纏っており
本当にちょっと発光しているようにも見える。
ペンを持つ手も美しく、細くて白い指は彫刻のようだった。
こんな人がこの世に存在しているというだけで救われる、そんな気分である。
「……いや2人とも見過ぎな…?」
隣の席からため息が聞こえ、ハッとなってヴェネッタは手元の作業が疎かになっているのに気付いた。
隣を見ると、イヴィトが呆れたように苦笑しており
向かいではまだぼけっと口を開いて隣の大天使を見ている男の姿があった。
すると“大天使の生まれ代わり”ことレンシアは、ようやく気付いたのか顔を上げて
隣のアホ面に不思議そうに微笑みかけて首を傾けている。
「……?どうかしましたか?」
「どうやったらそのペンになれるか考えていました…」
「…はい?」
イオンはアホ面に相応しいアホな事を言っているが、ヴェネッタは首がもげるほど頷きたくなってしまうのだった。
ヴェネッタは、学園に入学する前の自分は夢にも思うまい、というくらい奇跡的状況に陥っていた。
“大天使の生まれ代わり”様ことレンシアと同じテーブルで作業している日が来るだなんて。
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