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複雑な満了 2
ヴェネッタは複雑さを抱きながらも、それでもいつも通りに資金作りに奮闘する毎日を送っていた。
ところが、それから数週間と経たないうちに実に優秀な友人達のおかげでヴェネッタの人生にあり得ない余裕がやって来ていた。
イオンは自分の会社の為に様々な大人達と会う機会が多かったらしく、助言をたくさんもらって来たといい
それに基づいて文書を作成してくれた。
これを送ればもう大丈夫だろう、との事でヴェネッタは言われるままに借金取り達の事務所にその文書を送り付けた。
すると、毎月浴びるように来ていた催促の手紙がぱったりと止み
学園までわざわざ押しかけて来たような連中だったのに、音沙汰すら無くなってしまったのだ。
あまりにも何もなさすぎてイオンやイヴィトに、払い続けたが良いのでしょうか、と尋ねると
もうそんな必要はないだろう、と言ってくれた。
500年も払い続ける予定だったものが呆気なくなくなってしまい、なんだか拍子抜けだった。
最初はそんな事があっていいのだろうかと怯えていたが、
レンシアも喜んでくれたし、それ以上にイオンからあれやこれやと道具の開発を仰せつかり
学業にだって精を出す事が出来始めていて、ヴェネッタは実に充実した学生らしい生活を送れるようになっていた。
これまでの、意味がありそうで無いマイナスを埋めるような人生にもようやく安寧と平穏が訪れたのだとヴェネッタは思うようにした。
そう思った方が嬉しくなるから。
もう自分は“普通”に近付けているのかも、と。
なんだか閉ざされていた視界が開けた感覚で、
ヴェネッタは借金から解放された新しい人生を歩み始めていた…。
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