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普通の悩み事 1
突然ドラゴンがやって来たり、イオンが新しく会社を作ったり、敬愛するレンシアが殺人犯だと疑われたり。
社会と世界の怒涛な流れに飲み込まれ、翻弄され、
それでも誰も失わず、また平和でいつも通りの日常が戻ってきた。
レンシアの姿を一度だけでも生で拝めたらもう辞めていいくらいに思っていたハートン学園で、ヴェネッタは3年生になっていた。
しかもバイトを辞め、魔道具もそんなに沢山は作らずに済んでいて、最近では少しばかり成績も褒められるようになっているくらいだ。
これは驚くべき事で、ヴェネッタはとうとう自分は“普通”になれているのかもしれないと思えるようになっていた。
イオンの会社を相変わらず手伝っているヴェネッタだったが、彼の会社は少しずつだが確実に大きくなっており
ヴェネッタ達の作った道具が学園の購買に並んでいて、最近ではヴェネッタが入った事もないような高級なデパートにも置いてあるのだという。
イオンは労働の対価だと言って毎月それなりの金額を会社経由で支払ってくれて、
卒業したら会社に入ってくれるよね、とまで言ってくれている。
一生支払いに追われて、過酷な重労働をする予定だった人生が
こんなに華やかで明るくていいのだろうかと思えるくらいだった。
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