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大切 6
建物と建物の間の人気のない場所に連れて来られると、ヴェネッタはまた壁に追い詰められてしまう。
「お前が寄越したあの紙切れを見て、ボスはもうお前には構うなってよ!聞いて呆れるよな!」
イオンが作ってくれたあの手紙はやはり効果があったらしい。
だが男は納得がいっていない様子だ。
「…で、ですが…、やっぱりその…そう言われたってことは…
あの借金は、う…嘘だったってことじゃ……」
「知るか!俺たちはなぁお前らがいくら借金してようが知ったこっちゃねえんだよ!
アガリが無けりゃ俺たちが危ねえってのに…!余計なことしてくれやがって!」
「ヒィ…ッ!?」
男は首根を掴んでくるので、ヴェネッタは殴られると予感し咄嗟に片手で顔を覆ってしまう。
「お前らみたいなクズは言われた通りに金を出せば良いんだよ…!」
「そ、そんな…そんなのって犯罪じゃ…」
「犯罪だと?お前が言えたことじゃねえだろ」
「え……?」
ニヤニヤしながらも男はヴェネッタから手を離すと、顔を近付けてくる。
「確かに借金の件はもう水に流してやる。ボスの命令だからな
だがここからは別件だ」
「べ…別件……?」
「ハートン学園は“商売禁止”だったよなぁ?
だけどヴェネッタちゃんは確か魔道具屋をやってたんだっけ?」
「そ…それは……」
男の言葉にヴェネッタは震えながら俯いてしまう。
今はもう学園内での販売はしていないが、かつてやっていたのは事実だ。
「退学になったら困るよなぁ…?
魔法を持っているのにハートン学園の卒業資格が無いのは“法令違反”なんだろ?」
「…っ……」
背中に冷や汗が伝うのを感じながらもヴェネッタはどうすれば良いか分からず両手を握り締めて震えていた。
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