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大切 7
「よくないことをするのは苦労するよなぁ?
だがやらなきゃならなかった…
俺たちの気持ち、分かってくれるよなぁ?ヴェネッタちゃん」
男はニヤニヤしながらも、ヴェネッタの顎を掴んで無理矢理顔を上げさせてくる。
「俺たちはお前と死ぬまで付き合うつもりだったってのによ。
裏切られてありえないほど傷付いたぜ。
だが学園にお前のことをリークして退学に追い込むほど鬼じゃねえ…
いくらかお気持ちを見せてくれりゃぁ黙っといてやるよ」
「お気持ち……?」
「簡単なことだ今までと同じ金額渡してくれりゃあいい。
本当は倍でも良いんだぜ?まあだけど俺たちの仲だからなぁ?」
ヴェネッタはやっぱり自分はこんな事になってしまうのだと泣きそうになりながら男から目だけを逸らした。
だが男はヴェネッタの顎を掴んだまま親指で唇を撫でてくる。
「それで許してやるよ。
な?仲直りしようぜヴェネッタちゃん。
だが…誠意を欠いたらどうなるか分かってるよな?」
「……わ…分かりました……」
ヴェネッタは諦めて、小さく頷いた。
男は満足そうに笑いながらようやく手を離してくれる。
「さすが物分かりが良くて助かるぜ!
じゃあほら、出せよ」
「…い……言えばいい……」
「あ?」
「じ、自分が良くないことをしたのは事実です…!それを取り繕おうなんて思っちゃいませんから…っ
だから…、学園に言いたければどうぞ…っご勝手に…!」
「なんだと?」
「もう…もう嫌なんです……っ、これ以上良くないことはしたくない…!」
ヴェネッタは震えながらも両手で顔を覆った。
恐ろしくて、苦しくて、勝手に涙が溢れてきてしまう。
自分が罪深い存在だという事は重々承知しているから、だからこれ以上罪を重ねるような事は耐えられないと思ってしまったのだ。
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