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傷付けられないで。 1
気が付くと、身体がふわふわと浮いているような気がした。
なんだかいい匂いもするし、身体が暖かくて。
だけどすぐに気を失う前の恐ろしい出来事を思い出し、ヴェネッタは顔を上げた。
すると誰かに背負われているらしい事が分かり、死ぬほど焦ってしまう。
「…え…!?あ、あああれ……!?」
「…起きた?もうすぐ駅着くからな」
「い、い、イヴィト殿!!?」
どうやら背負ってくれているのはイヴィトのようで、何故だか瞬時に顔が熱くなってしまう。
だけど彼は気にせずにヴェネッタを背負ったまま歩き続けている。
「ごめんなヴェネッタ先輩…1人にした所為やな…」
「な、何を言っておるのですか…イヴィト殿が謝る事じゃ…
…っていうかあれ!?おじさん達は!?」
「とりあえず警察の人に来てもろて…色々事情話して後は任せてきた」
「そ…そうでしたか……」
どうやら気絶している間にイヴィトが色々とやってくれていたらしい。
しかしあの出来事が夢ではなかったことも同時にわかって、ヴェネッタは複雑に思ってしまうのだった。
「す…すみませんイヴィト殿…また助けてもらったようで…」
「んーん…寧ろ遅くなってごめんな…どっか痛いところとか無い?」
「自分は平気です…
…と、というか歩きますぞ!?自分で!?」
何を普通に背負ってもらっているんだとヴェネッタは慌てて彼の背中から降りようとしたが
イヴィトは何故か、えぇー?と不満そうな声を出している。
しかしいくらか抗議すると彼はようやくヴェネッタを下ろしてくれた。
地面に降り立つとちょっとだけフラフラとしたが、とりあえずはどこも異常は無さそうだった。
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