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傷付けられないで。 2
「先輩のこと喜ばそう思ったのに…こんな事になってもうて…」
イヴィトは悲しそうに目を細めている。
「イヴィト殿は悪くない…というか…、自分で蒔いた種ですよ
学園で禁止されているのに…魔道具を売っていたのは事実ですから…
そもそも…自分の問題に巻き込んでしまって……」
もしかするとイヴィトだって怪我をする危険性があったわけだ。
自分の所為で。
そう思うと辛くなってしまって、ヴェネッタは両手を握り締めた。
「…や…やっぱり…悪いことなどするものではありませんなぁ…
借金だってそもそも嘘だったわけですし…自分は本当…、っ…情けないというか…」
自分で言いながらも涙がじわじわと滲み出てきて、ヴェネッタはこれ以上イヴィトを悲しませまいと彼に背を向けた。
「ヴェネッタ先輩は…なんも悪くないやろ
あいつらが言ってる事に正当性なんて一切あらへん」
背中にぶつかるイヴィトの声に、その優しさに、ヴェネッタはなんだか胸がチクチクして自分の両手を見下ろした。
“普通”はそもそも、こんな目に遭う事すらないのだろうから。
やっぱり本当は、生きているだけで悪いのかもしれないと感じてしまう。
「…お金がなかったのもありますが……、自分が作ったものが、
誰かの役に…少しでも役に立ってるって思えた時…
すごく嬉しくて……
き、禁止されてるって分かっていても…魔道具を作り続けてしまったんです」
人に喜んでもらえたこともお礼を言われたことも、この学園へ来て魔道具屋と呼ばれ出してからだった。
そこにちっぽけな存在価値を見出してしまって、ダメだと分かっていても続けてしまったのだ。
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