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バースデーハッピー 3
「よし。俺からのプレゼントもある意味では手作りだ」
「ふぇ…ろ、ローラ殿も…!?」
「ここに座れ」
ローラはそう言って椅子を叩いているので、ヴェネッタは言われた通りに椅子に腰を下ろした。
するとローラは向かい合わせるように椅子を引っ張ってきて目の前に座る。
「うむ…まだ遠いな…」
と言いながら彼は椅子を引きずって更に近付いてくる。
「何が始まるんだ…?」
「さぁ…」
もうほとんど膝が触れ合うくらいの位置になってしまうとローラは眼鏡を外し、じっとヴェネッタを見つめてくる。
「…ぃ……え……?ローラ殿……?」
「黙ってろ」
「ヒィ!すみません!!」
眼鏡のないローラの濃紺の瞳に超至近距離でガン付けられ、ヴェネッタは逃げ出したくなりながら奥歯を噛み締めて耐えていた。
彼は瞳を開いてじっと見つめ、片手でテーブルの上のノートに何かを書いている。
数分そんなような状態が続いてしまい、ヴェネッタは最終的には椅子の背もたれにのめり込むようになり
ローラはもう半分ぐらいはヴェネッタの膝の上に座っている感じになっていた。
「何を見せられているんだ……」
周りもドン引きしている最中ローラは、うん、と呟きようやく離れていった。
「はぁ…終わった……」
彼はため息を溢しながらそんな事を言っていて、それはこっちのセリフだと思うヴェネッタだった。
ローラは分厚い眼鏡姿に戻ると、さっき片手で書いていたノートをビリッと雑に破いて折り曲げ渡してくれた。
「はい。ハッピーバースデ〜」
「え…?え?」
ヴェネッタはとりあえずそれを受け取って、中を見てみる。
そこには謎の模様のようなものや数字が書かれており、まるで意味不明だった。
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