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友達は起業家 4
「…ありがと。少しでも誰か救われてるんならやり甲斐あるよ…」
「ヴェネッタ先輩もどえらい感謝しとったで。足向けて寝られへん!とかいうて…」
同じく支援をしている一つ上の学年にいるヴェネッタもまた、貴族でありながら資金に苦労しているようだった。
どうやらあまり家庭がよろしくなかったようで、あり得ないほどの借金を背負わされていたようだったし。
「……ヴェネッタ先輩は結局ご両親と連絡つかないんだよな…
離婚されてるっぽいし…」
15歳で成人を迎える為、支援についても別に両親や保護者の同意はそこまでは必要なかったが
イオンは一応親や保護者への説明などはきっちりとやっていた。
貴族だと特に、沽券に関わる事になりかねず、トラブルにならないようにという配慮なのかもしれない。
「一応子爵…なんやろ?
生まればかりの赤子に借金背負わせるような人やけど…」
「うん…でも、職場にも随分と顔を出していないらしくて…家も放置されているみたいだ」
ヴェネッタの家庭は本当にそんな事があるのかというくらい家庭として機能していないらしかった。
子どもに借金を背負わせている時点であり得ないと思ってしまうのだが、それでも懸命に返そうと働いていた彼を思うとイヴィトはなんだか複雑な思いに苛まれてしまう。
今は法外な借金も落ち着いたようで、少し余裕のある生活が出来ているようだけど
借金取りに付き纏われながらも、朝も夜も魔道具を作ったり工場のバイトに出掛けていた少し前までのヴェネッタは見ているだけで辛くて。
だけど本人はへらへらしながら、仕方ないですよ、なんて言うから。
こんなにも自分は何も出来ないんだと感じたことはなかった。
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