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平等には出来ない人 3
欲望に身を任せて好きとか言ってしまった事を後悔しているから、イヴィトはヴェネッタとなるべくいつも通りに過ごせるように己を律していた。
とはいえ、好きだと言ってしまった所為でやっぱり少々箍が外れかけているらしく
隣で何か懸命に作業しているヴェネッタの横顔をついつい観察してしまう。
誕生日に買わせてもらったピカピカの眼鏡。前のは少しフレームが太かったけど、今のは細めだから少しばかり表情が分かりやすくなった。
手元に注がれている視線は真っ直ぐで、青い瞳は宝石みたいに輝いて見える。
銀色の長い髪は緩くウェーブがかっていて細くて柔らかくて触ってみたいなとか、顎のラインが綺麗で髪をちょっと退けて見れたらなとか次々と欲求が湧き起こってきてしまう。
肌の白さもそうだし、近くで見ていると自分と全然違って見えて
唇がぷっくりとしてて柔らかそうだなとか
実際柔らかかったなぁとか思うとあの時の罪悪感と共にもう一回味わいたいような気持ちになってしまい複雑だった。
そうやって机に頬杖をついて眉根を寄せていると、ヴェネッタは視線に気付いたのか横目でチラリとイヴィトを見ては
ビクビクしながら肩を竦めている。
「あぅ……な、何か怒っていますか…?お、遅いですか?自分…」
「んーん。怒ってへんよ?全然」
「ううぅ……ほ…本当かなぁ……」
ちょっと舌足らずな喋り方も謎に唸っている声もなんだかそわっとなる訳だが、イヴィトは口元に笑顔を浮かべる。
「見てたらあかん?」
「え…、い、いやぁ…」
「うそうそ。ちょっとサボってただけやんかー」
どうにか誤魔化しながら止まっていた作業を再開しようと手元に目を向けた。
「あの…で、でも出来ましたぞ!
きっとこれで大丈夫なはず…!」
ヴェネッタはそういうと一生懸命弄っていたペンを渡してくる。
それは彼がイオンのアイディアを形にした、インクにつけずともずっと書ける!という無限ペンだった。
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