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剥奪 4

などなどと男に色々と説明をされ、 大量の資料と書類を渡されてしまったヴェネッタは紙束を抱えてフラフラと寮の部屋まで戻って行った。 部屋に帰り着いて、どさりと書類を机の上に置くと 一気に現実が押し寄せて来て、へなへなと床に座り込んでしまう。 500年でも返し終わらない借金に比べれば2000万なんて大した金額ではないかもしれない。 屋敷を売ればある程度は減らせるだろうし。 それでも、やっと普通になれると思ったのに、またもややって来た金銭の問題に 将来や老後のために貯金が出来ると心躍っていた自分があまりにも滑稽に思えて、 ヴェネッタは床にへたり込んだまま窓から差し込んでくる夕暮れ色を茫然と見上げた。 「……はは…」 自分は何か呪われているのだろうか。 やっぱり、産まれて来た事自体が間違いだったのだろうか。 もう笑うしかないような気持ちなのに、頬には涙が伝う。 泣いてもお金は湧いて来やしない。大量の支払いが消え失せるわけではない。 そんな事は分かっているのに。 死んだら楽になれるのだろうか。 そんな恐ろしい考えが過ってしまう。 今まで何度も何度も思った事だった。 終わらない支払い、毎日焦ってどうしようもなくて 働いても働いても何にも変わらなくて。 誰も、物理的には助けてくれなくて。 明日目が覚めて全部夢だったらいいのにと願うけど、請求書はいつも通り山積みになっていて。 自分は何か悪い事でもしたのだろうか。 産まれてきたから、なのだろうか。 そうやっていつもそこに行き着いて、じゃあ、死んでしまえばと。 何度も何度も何度も。

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