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剥奪 10

「俺…やっぱ子どもやんな。イオンみたいに150年待つ!みたいなこと言えんもん… やから…先輩……俺のこと、ちょっとでも…好きって思ってくれとるんなら…一緒連れてってや…」 なんでそんな事を言うのだろう。 彼が居なくなったら、悲しくなる人は山ほど居るのだろうに。 ヴェネッタは小さく吐き出すように笑った。 「…何を言ってるんですか……そんなの…ダメに決まってるでしょ…… 別に…、分かってもらいたいわけじゃない……ただ…… もう……なんか……疲れちゃった…だけで……」 何も考えられなくて、身体も心も全部重くて、どろどろと溶け出していきたくなる。 イヴィトは少し身を屈めて顔を近付けてきた。 「…なぁヴェネッタ先輩…今日俺とおってくれへん…? 俺なぁ……めっちゃ悲しいことあってん…」 「……は…ぁ…?」 「好きな子が…泣いててなぁ……でも俺何もできへんかった…… …多分1人じゃ寝れんから…一緒におって……」 「……っ……」 イヴィトはそんな事を言いながらまた抱き締めてくれて、ヴェネッタは彼に身体を預けるようにぐったりとなっていた。 なんでそんな事を言うの? なんでそれでも、側に居てくれようとするんだろう。

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