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傷付けたって 2

何がどうなって一緒に寝ていたというのだろう。 ていうか一緒に寝ていた?え?と混乱してしまう。 だけどこれは非常にまずいのではと謎に危機感を覚え、ヴェネッタはやんわりと彼の腕を解こうとした。 「い…いい、イヴィト殿…あ、あのぅ……?」 「せんぱい…いいにおいす…る……」 「ホ!!!?!?」 眠そうな声が急に呟いた言葉に、頭が真っ白になって硬直してしまう。 背中越しに伝わってくる彼の身体の感触やすぐ近くにある息遣いを感じると尋常じゃないくらいの汗と動悸に見舞われて 爆発しそうになっていると誰かがヴェネッタの前に座り込んだ。 「しー、静かに…」 「え、あ…あ…」 ヴェネッタは震えながら顔を少し上げた。 視界がぼやけててよく見えないが、イヴィトのルームメイトのスーのようだった。 彼は布団を捲っては首を傾けてる。 「んー?まさか入ってるわけじゃないよな?」 「う…ぅう…」 「あはは。寝かしてやんな。昨日遅くまでなんかしてたみたいだし」 「え…」 「こっちおいで」 スーはヴェネッタの腕を取ると身体を引っ張ってくれて、案外するりと抜け出すことが出来た。 彼は向かい側のベッドにヴェネッタを座らせてくれた。 「イヴィトの事は応援してやりたいけどセンパイの気持ちも大事だからなぁーなんつってー」 ぼやけていてよく見えないがスーは何故か上裸らしく肌色の物体が小声で喋っている。 「あ…う、え、ええっと…ここは…イヴィト殿達の部屋……?」 「そだよぉーセンパイ簡単に連れ込まれちゃってぇー」 「い…ぇええ……」 という事は先程までイヴィトのベッドで一緒に寝ていたらしい、と気付くとまた顔が熱くなってきてヴェネッタはそわそわとしてしまう。 「大丈夫よーオレ他の先輩のとこ遊びに行ってたしぃ さっき帰ってきたとこだから、昨晩のお楽しみは見てないし聞いてないんで、2人だけの思い出だよん」 「え…ぇえ?…いや…違…」 否定はしたかったが全然覚えていないので確証がなくて、ヴェネッタは思わず自分の頬を両手で覆ってしまう。

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