96 / 138

傷付けたって 4

「てかセンパイ顔ちっちゃー肌すべすべー…唇ぷるぷるだし…いーなー…」 スーはヴェネッタの頬を好きなだけ捏ねくり回しているが、ヴェネッタは不思議に思ってしまった。 イヴィトにそうされた時は無駄にドキドキしてしまうのに、今も確かにそわそわはするけど何だか爆発してしまいそうというほどでもなくて。 「オレ、ガンガン攻められる方が好きなんだけどー センパイみたいなコを逆に襲って上乗っかるのアリ?」 「……は、い…?」 「強制筆下ろし!みたいな…あ、やべちょっといいかも…」 「え?…スー殿…??」 スーは何故かどんどん顔を近付けてきて、ヴェネッタは眉根を寄せながら身体を離そうとしたが とさりとベッドの上に押し倒されてしまう。 「オレちょっとし足りなかったんだよねー」 「い、いやいやいやいや……!おかしい!おかしいですって…!?」 「あはは…そうなんだよねーオレちょっとおかしくてさー…」 へらへら笑いながらもスーは何故かヴェネッタの身体を弄り始め、素肌を撫でられると思わず息を呑んでしまう。 しかし次の瞬間彼は、おあっ!?と情けない声を上げながら吹っ飛んでいった。 ヴェネッタは思わず起き上がろうとして、ごん、と何か壁のようなものに頭をぶつけてしまう。 「何……やってんだ……」 聞いたことのないような低い声と共に部屋の中の温度が急に上昇し始め、その出所に顔を向けると ベッドから起き上がったままの姿勢で片手を上げ、凄まじい形相でスーを睨んでいるイヴィトの姿があった。 「いってぇー…もー急に吹っ飛ばすことないじゃんかぁ!」 「うるさい!見境無しにも程があるやろ…!」 イヴィトが片手を下げると、ふっと目の前の壁が消えていき ヴェネッタは頭を押さえながら起き上がった。 「い、イヴィト殿……」 イヴィトは床に落ちているスーの方へと近付いていて、まるで炎を纏っているように彼の身体の周りが揺らめいて見える。

ともだちにシェアしよう!