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傷付けたって 5
よからぬ気配に、ヴェネッタは慌ててベッドを這ってイヴィトに後ろから抱き付いた。
「お、落ち着いてくだされイヴィト殿…!
自分はどうもなってませんし!スー殿が自分なんかに本気なわけないでしょ!!」
「あーひどーいオレはいつでも本気なのにぃ…」
「余計なこと言わないでください!!!」
今にも殺されそうになっているのに平気で軽口を叩いているスーだったが、ヴェネッタはイヴィトの服を引っ張って自分の方に向かせようとした。
「……はぁ…」
イヴィトは小さく息を吐き出すと、振り返ってくれた。
「…大丈夫やった?ヴェネッタ先輩…」
「う…は、はい……」
「ごめんね…」
彼はちょっとだけしゅんとなって謝ってくれて、さっき障壁にぶつけたヴェネッタのおでこを撫でてくれた。
「あ……あう……あの、じ………、自分の方こそ、ごめんなさい……
昨日…は、酷い事を言ってしまって……!」
「…酷い事?」
「も、もう嫌だとか…、し……、死にたいとか…
ででも…わざと、傷付けたかったわけじゃなくて…、
イヴィト殿が頼りないとかそういうわけでは決してなくて…
昨日は何だか混乱しておったというか…
…す…、すごく…苦しくて…どうしたら良いのかわからなくて…」
ヴェネッタはまた思い出すと苦しくなって、俯きながらどうにか言葉を紡いでいた。
「く…挫けそうになってしまって…」
あの言葉達は嘘ではないけど、誰かに吐露して良いものではなかったのかもしれない。
イヴィトは一緒にどうとか言っていた気がするし、でもそんな事を言わせたかったわけじゃなくて。
「重…っ!」
「黙りや」
「ハイ」
イヴィトはスーを一言で叱り付けていたが、ヴェネッタはまた泣きそうになって両手を握り締めながら怖々と彼を見上げた。
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