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傷付けたって 7
ヴェネッタはイヴィトの頬に両手で触れた。
「…イヴィト殿が大事にしてくれてたって思ったら…たった400ヶ月くらい頑張りますとも……」
たった一瞬でもいいから、誰かに愛されてると分かったら
また自分は頑張れる。
ヴェネッタは今はそう思えていた。
何の成長もなく意味もなく、
ただ穴を埋めていくような、マイナスを0にするような、
罪を償うような日々だったとしても。
「…ありがとう」
ヴェネッタはイヴィトの額に口付けた。
やっぱり涙が頬にぽとりと落ちていったけど、今は結構晴れやかな気分だった。
イヴィトは何も言わずに抱き締めてくれて、それがただただ嬉しかった。
よかった、自分はまだ生きていられる。
そんなふうに思えるから。
「……いやだからなんで付き合ってないの?」
スーは床に座り込んだまま呆れたように頬杖をついて呟いている。
イヴィトはヴェネッタを解放するとため息を溢しながら振り返った。
「別にいいやろ…色々あんねん…」
「何だよ色々って…逆に不誠実じゃね?」
「スーに誠実性を説かれたくないんやけど!」
ヴェネッタは涙を拭って、そういえば眼鏡はどこに行ったのだろうとぼやけた視界の中目を細めて探した。
机の上にそれらしきものを見つけてそちらに近寄る。
「あと400ヶ月って何?」
「あー…その……家の罰金を払わなくてはいけなくなってしまいまして…」
ヴェネッタは苦笑しながら眼鏡をかけ、ようやく良好な視界を取り戻す事ができた。
半裸で床に倒れているスーとそれを呆れたように見下ろしているイヴィトはなかなかに異様な光景だった。
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