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傷付けたって 8

「ま、まぁ今までに比べたら大したことじゃありませんよ… ほんと…死にたくなるほどの……ことじゃ………っ…」 現実を思い出すと、またじわじわと涙が込み上げてきて 思わず言葉に詰まらせて俯いてしまう。 ただ、またバイトに明け暮れる日に戻るだけだ、と思うけど。 「ご…500年が30年になっただけでも、し、幸せなことで…っ……」 「幸せのハードルひっく」 「それは幸せとは言わんって…」 ヴェネッタがまたしくしく泣きそうになっているとイヴィトがやって来て頭を撫でてくれた。 「言ったやろ、1人で頑張らんでいいって 0にはできんかもしれんけど、まずは少しでも減らせるように考えよ」 「い…イヴィト殿……」 「まずは掃除やな!スーも暇やったら来てや」 「えっ何すんの?コンパとか?」 「掃除言うたやろ!土日でヴェネッタ先輩の家片付けるから」 「え?」 「家売るんやろ?その前に清掃と修理はした方がええんやって でないと800万くらい取られるらしいで?」 「は、は、800万!!!?!?!?」 そんな話は聞いておらずヴェネッタは思わず飛び上がってしまう。 「やろ?せやから、ちゃんと片付けとかんとな」 「えぇぇ……?」 「まず目の前のことをやって、それからまた一緒に考えよ。な?」 イヴィトはいつも通り爽やかに微笑んでいる。 全くもってそれどころじゃないはずなのに何故か頭がぽわっとなって、その笑顔を見つめてしまうヴェネッタだった。

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