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手放すために 1
数年振りに帰ってきたその屋敷は、記憶よりも少しだけ違って見えていて、こんなに小さかっただろうかとヴェネッタは感じてしまっていた。
そこそこに大きな街の住宅街に建っているし、周りの家も立派なものが多いけれど
その屋敷だけはあまり手入れがされておらず荒れているのが外からでも分かる。
窓ガラスが割れていたり、庭には雑草が伸び放題だし白い壁は汚れてくすんでいる。
その荒れ果て具合はヴェネッタが住んでいた頃とあまり変わっていなくて、なんならもっと酷くなっているようだ。
この家で生まれ育ったけれどあまりいい思い出は無くて、ヴェネッタはどこか畏怖すら感じながらも屋敷を見上げていた。
「まー…なんていうか、お化け屋敷みたいだナー」
「ちょっとは口を慎めや?」
「い、いえ…良いのですよ…近所で本当にそう言われてましたし…」
「でも元々は立派なお屋敷だったのではないですか?
綺麗にすればきっととても素敵になると思いますよ」
スーとレンシアは真逆の感想を溢しているが恐らく2人とも本心ではあるのだろう。
罰金を少しでも軽くする為、テガボ家の屋敷を売却する事になったヴェネッタは
屋敷の査定が入る前に清掃と修繕をした方がいいとアドバイスを貰い、2日間の休講日を使って実家へと帰ってきていた。
イヴィトやスーやレンシア達まで手伝ってくれるとのことで、申し訳ないやら何やらで、ヴェネッタはビクビクしながらもみんなを振り返った。
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