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贅沢な選択 5

「……なぁ、ヴェネッタ先輩……」 「…は、はい?」 「俺達…付き合った、でいいんよな?」 「え、え…?つ、つつ…つきあ……?」 ヴェネッタの顔はますます赤くなっていって、目が泳いでいる。 イヴィトは更に彼に顔を近付けた。 「恋人になった、というかな」 「こ!?!」 「だって好きって言ってくれたやん?あれはそういう意味かなーって…」 ヴェネッタはやっぱりよくわかっていなさそうだったけど、昼間は彼からキスをしてくれたし 少しは期待しても良いのだろうかとイヴィトは思ってしまう。 最初は見ているだけで良かったのに、触りたくなって、今は独占したくてたまらなくなってしまっていて どんどん欲求が信じられない方向にいくなぁと怖くもなるのだけど。 「……じ、自分なんかが…良いんでしょうか……? イヴィト殿の…こ、ここ……恋人…なんて……」 「嫌やったら、嫌でもええよ? 俺はそうなりたいけど……でも、決めるのは、ヴェネッタ先輩やから」 ヴェネッタは眉根を寄せながら、視線を彷徨わせた後イヴィトをじっと見つめてくる。 綺麗な青い瞳は少し涙で滲んでいて、眼鏡越しでもその透明度が伺える。 良く晴れた日の海みたいな、美しい瞳だった。 「自分は…その、こ…恋人…とは何かよくわかりません… だ、誰かを好きになったことも好きになられたことも……な…なかったので…」 「俺もそうやで?人として好きだなって思える人はいっぱいおるけど… 初めてやんなぁ…こうやって触りたいとか…俺だけ見てて欲しいとか思ったんは…」 唇が触れ合いそうな距離まで近付くけど、ヴェネッタは少し震えていた。

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