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お祖父様 3

「さてと…じゃあこれ、外そか?」 「そうですね…お祖父様には非常に申し訳ないですが…」 2人でどうにかして巨大な肖像画を壁から外し、床に置いた。 元々は荘厳な姿が描かれていて、綺麗で立派な額縁と相まってとても素晴らしいものだったのだろう。 ずっとこの屋敷を見守っていてくれたのかもしれないが、処分するしか無い。 同じ目線くらいになった肖像画の、切り刻まれている部分にヴェネッタは手を触れている。 「ごめんね…」 そんな事を言いながら彼は先祖に謝っているのだった。 「どうしよか…、壊すのは心苦しいけど小さくせなこのドアは通らんよな…」 肖像画はどうやって持ち込まれたのか、玄関の入り口よりも巨大のようで そのまま運び出すのは難しそうだった。 バキバキに折るしか無いだろうかとイヴィトが考えていると、ヴェネッタは肖像画の前にしゃがみ込んだまま静止している。 やっぱり思うことが沢山あるのかもしれない。 「……ヴェネッタ先輩…」 「うーん……この模様……どこかで……」 ヴェネッタは額縁に触れながら何か悩んでいるように首を傾けている。 イヴィトは彼の隣に行って一緒にしゃがみ込んだ。 「どした?」 「い、いやぁ…気のせいかもしれないんですが…なんかここに引っかかって…見覚えがあるというか…」 「見覚えって…ここで育ったんやからそりゃ多少なりとも愛着?があるんとちゃう…懐かしさ?というかな?」 「うーん…でも自分…結構この絵が恐ろしいような気がしてあまり見ないようにしていたんですよね… こんな風になる前も……」 どんな顔に描かれていたのかはもう分からないが、子どもからしたら巨大な肖像画というだけで怖く感じるのは当然かもしれない。

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