135 / 138
お祖父様 5
中には印鑑のようなものと鍵が入っていた。
ヴェネッタは印鑑を手に取ると、目を細めながら顔を近付けている。
「これは…契約印のようですな…守護の魔法がかかっている…」
イヴィトは鍵を観察してみた。
持ち手の部分に番号が書かれている事以外比較的シンプルな鍵だった。
契約印に鍵、でイヴィトはピンと来てしまった。
「これ…貸金庫……ちゃう?」
「エ…?か…貸金庫?」
「“牢口座”や…契約主本人か…もしくは契約主が定めた人間しか開けられん魔法銀行の金庫…」
「え…?」
「これは結構長く開けられとらんように見える…
いや、なんなら一度も開けられてへんのかもな…
ヴェネッタ先輩のお祖父さんが自分でここに隠したんとちゃう?
…ちょっと契約印見してみ?」
イヴィトは彼から印鑑を預かって観察した。
木と金で出来た結構重量感のある立派な印鑑だ。
判の部分は魔法陣のようなものが描かれており複雑な古典魔法のようだ。
持ち手部分を眺めていると、小さなマークのようなものが彫ってある。
「“王都魔法銀行”のやな…」
魔法銀行は普通の銀行とは違い魔法使いの為の銀行だった。
「確かこの街にも支店があったはずやから…後で行ってみよか?」
「え…でも……これはお祖父様の契約印ですし、じ…自分が行ってもしょうがないんじゃ…」
「もしかすると家族やったら開けられるかもしれんで」
イヴィトは契約印を鍵と一緒に箱に戻し、彼に手渡した。
ヴェネッタは複雑そうな顔で箱を受け取るのだった。
ともだちにシェアしよう!

