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手紙 1
銀行なんて訪れたのは生まれて初めてくらいだった。
それに“魔法銀行”なんて。
どこかに預けられる程、金があった事なんて無かったヴェネッタは受付で契約印と鍵を見せると別室に案内されてしまった。
担当として案内してくれた銀行員に言われるままに、指先を少し切って血液で判を押すと
たちまち魔法が発動して、どこからともなく小さな箱のようなものが出現した。
「ヴェネッタ様はこちらを開けるに値する正当な契約者のようですね」
どうやら契約印は“血の契約”がなされていたらしく、テガボ家の血を引くものであれば開けられるようになっていたようだ。
父親達はヴェネッタの出生を巡って言い争っていたようだけど、どうやら本当にテガボ家の人間ではあったらしいと思うとなんだか複雑だった。
銀行員は退室し、部屋に1人になったヴェネッタは出現した箱を暫く眺めていた。
両手で持てるくらいの普通の木の箱だったが、鍵穴がついている。
ヴェネッタは額縁の中に一緒に入っていた鍵をその鍵穴に差し込んだ。
鍵をゆっくりと回すと、かちゃり、と軽い音がして箱が僅かに開く。
「……はぁ…」
少々緊張してしまいながらも箱を開くと、中には封筒のようなものが入っていた。
封筒を開けると中には紙がいくつか入っている。手紙のようだった。
遺言書的なものなのだろうかと思いながら手紙の文字に目を落とした。
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