147 / 152
見つかりだした! 8
「ふふ。お疲れ様です」
レンシアは男避け最強と思しきイオンに微笑みかけているが、本人はぼけっと口を開けて彼を見上げている。
「イオンさん?」
「うわっ!びっくりした…美しすぎるだろ…」
「もぉ…しっかりなさい?」
何故か驚いているイオンに
先程紳士だの甘メロだの聞かされていたイヴィトとヴェネッタは思わず顔を見合わせて変な顔をしてしまうのだった。
「全く…すっかりバカップルだらけになってしまったな…
長期休み前なんてただでさえ浮かれポンチだらけで歩いているだけで吐き気がしてくるってのに」
ローラは呆れたようにため息を溢していて、それには我々も含まれるのだろうかとヴェネッタは苦笑してしまう。
「ローラは好きな人とかおらんの?」
「は。抜かせ。
ここは学業に勤しむ施設であって結婚相手を見繕う場所じゃないんだぞ」
「めちゃくちゃ正論ではあるんだけど…なんかローラが言うと違って聞こえるのは何故なのか…」
ローラはどこか不貞腐れたように頬杖をつきながら行儀のカケラもない格好でパンを齧っている。
「あ。そうだそうだ。2人に渡しとこうと思ったんだった
忘れないうちに…」
イオンは何か思い出したようにジャケットのポケットを弄り始める。
そして鍵を取り出すとヴェネッタとイヴィトに差し出してくる。
「事務所の合鍵、一個ずつね」
「えぇぇ…じ、自分が貰っても良いのですか…?」
「当たり前じゃん。2人はうちの役員なんだから!」
「社員にすらなった覚え無いんやけどな…?」
イヴィトは苦笑しながらも鍵を受け取っている。
ともだちにシェアしよう!

