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見えていなかっただけ 1

前期の授業も全て終わり、長期休み前のパーティを以てして長い休講が始まる。 ハートン学園に3年もいるのに、パーティなんて一度も参加した事がないヴェネッタだったが この度イヴィトに一緒に行こうと誘われてしまったのだ。 イオンからも紹介したい大人がいるから絶対来てねと言われてしまい、断る権利もなく参加する事になってしまった。 しかし例によってパーティに着ていく服なんて検討もつかずに、クローゼットの前で絶望していると ルームメイトのジエンに街まで引っ張られ、とりあえずこれくらいだったら多少はマシになるだろ、と服を見繕ってくれたのだった。 「ど…どうでしょうか……?」 ヴェネッタはジエンに選んでもらった服に身を包んで彼に一応報告してみた。 シャツにタイにちょっと後ろの丈が長いジャケットだったが、自分では絶対選ばないような青色のジャケットは なんだか着ているだけでそわそわしてしまって本当に合っているのだろうかと不安になってしまう。 「17点ってところだな」 ジエンは腕を組んで相変わらず辛辣な点数を付けてくれる。 「髪がダメだな…やり直しだ」 そしてそんな事を言いながらヴェネッタを椅子に座らせると、指を振って髪を結び直してくれる。 いつもみたいに自分で三つ編みにしていたのだが、どうやらお気に召さなかったらしい。

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