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見えていなかっただけ 4
「準備できました??
うわっ!!ヴェネッタ先輩決まってるぅ!いいじゃんいいじゃん!」
「え…あ、ありがとうございます…」
勝手に入ってくるなり褒めてくるスーに、ヴェネッタは戸惑ってしまう。
「…ってあれ!?先輩その格好で行くの!?」
「行かねえって言ってるだろ!」
「なんでなんでなんでぇ!!一緒に行こうって約束したじゃん!」
「してねえよ!お前が勝手に言ってるだけだろ…!」
「えーじゃあ2人でサボって…ネトフリアンドチルするぅ?いいよぉ全然。寧ろオレはそっちの方が…」
「はァ!?」
何故か2人は仲良くなっているらしく言い争いが始まってしまい、ヴェネッタはおろおろとしてしまう。
するとドアが再びノックされて、イヴィトが顔を覗かせる。
「なんか賑やかやん…」
イヴィトは苦笑しながらも大騒ぎの部屋に入ってきた。
そして半泣きのヴェネッタを部屋から連れ出してくれる。
「しゃあないなぁあの2人は…。まあ放っておいても大丈夫やろ」
閉じられたドアの向こうではまだ2人は騒いでいるようだった。
イヴィトもいつもと違って綺麗なスーツに身を包んでいて、前髪もあげてヘアセットしているようだった。
なんかちょっといい匂いもして、ヴェネッタはついぽやーっと彼を見上げてしまう。
「…綺麗や…すごく……」
イヴィトはそう言って目を細めてヴェネッタの頬を撫でてくれた。
紅茶色の瞳は静かに輝いていて、そんな風に見つめられると顔が熱くなってしまう。
すると彼はヴェネッタを抱き締めてきて、深くため息を溢した。
「あ〜〜…どないしよ…また先輩がモテてまう……」
「な…なな…何言ってるんすか…そんなわけ…」
「もう…今日1人でうろうろしたら絶対あかんよ?いいな?約束!」
「う…?はい……?」
イヴィトの言っている事はまるで同意出来なかったが、今までも散々助けてもらったし
とりあえず言う事を聞いておこうと頷くヴェネッタだった。
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