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社長! 1

華やかな場に近付いた事すらなかったヴェネッタは、学園のパーティといえど貴族達が集まるその煌びやかな場には圧倒されてしまう。 普段は同じ制服姿のはずの生徒達はここぞとばかりに飾り立てており、来賓の貴族達と見分けが付かないくらいだった。 見たことがないくらいの豪華すぎる料理も並んでいたりして、こんなご馳走があるんだったら今までもこっそり忍び込めば良かったとか思ってしまうヴェネッタだった。 だけどまるで別世界の空間を自由に歩き回る度胸なんてあるわけもなく、寧ろ手を離されたら2度と戻って来れないような恐ろしさを感じてしまい ヴェネッタは常にイヴィトの服の裾を掴んでいるのだった。 「あ。イオンはあそこにおるな…」 少し離れた所に、上等そうなタキシードとトップハットを被った紳士数名と喋っているイオンの姿を見つけた。 数人の大人達に囲まれても堂々としているイオンに、年下とは思えないくらいしっかりしているなとヴェネッタは改めて感心してしまう。 ぼけっと見ているとイオンは2人に気付き、手招きをしてくるので イヴィトとヴェネッタは彼の元へと近付いて行った。 「紹介します!うちの優秀な社員のイヴィトくんとヴェネッタさんです!」 「どーも…」 イオンは2人を紳士たちに紹介し、ヴェネッタは急に視線が集まって顔を赤らめながらイヴィトの背中に隠れた。 「イヴィトくんには主に財団の方を手伝ってもらっていて、 入学後の生徒のサポートとかそういった面でも本当に助かってまして…」 紳士たちは関心したようにペラペラと喋っているイオンの話を聞いている。 「しゃ…社長…」 「ほんまやなぁ…社長すぎる…」 普段は婚約者の尻に敷かれてドラゴンの世話をしている人とは思えないイオンの社交力に 2人はこそこそと悪口を溢してしまう。

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