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強くて、弱くて 2
「……イヴィトさんがそんな顔をしているなんて、珍しいですね」
「そうやろか…?」
「ええ、いつもは心を傷めていても気丈に振る舞っているでしょう?」
白くて綺麗なレンシアの指先からは柔らかい光が溢れていて、彼はヴェネッタの額をその光で照らしているようだった。
「ヴェネッタさんのこと、とても大切に想っているからですよね」
人よりも聡いレンシアにはなんでもお見通しのようで、恋慕だけでなくイヴィト自身でも理解出来ないほどの焦燥感まで彼には分かっているらしかった。
「時々……、俺なんかが先輩の側におっていいんやろうかって思う時ある…
俺は先輩を救えてもないし…ちゃんと守れてもおらんのやないかって…」
イヴィトは今まで自分がネガティヴな人間だなんて考えたことすら無かったし、弱気になる事だってそんなに無かった。
だけどヴェネッタと出会ってから、まるで人が違えたように自信を失っているし
なんだかちょっとだけ我儘で子どもっぽくなっているようにも思えていた。
そんな自分に、イヴィト自身が一番翻弄されているような。
「俺ばっかり赦されているような気がしてまう……」
ヴェネッタの言葉は嘘偽りなんて一切無いのだろうけれど。
だからこそ、彼の純真さに我儘を聞いてもらっているような気がしてならなくなる。
彼が信仰している“大天使”の生まれ変わりのように、本当の意味で彼を救う事は出来ないのでは、なんて。
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